賛助会員企業リポート 第11回 三光株式会社
会社概要
企業名:三光株式会社 |
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沿 革
昭和47年 9月 | 三光産業株式会社創業 |
昭和54年 9月 | 三光産業株式会社の石油製品部門を分離独立し、三光石油株式会社を設立 |
昭和56年 7月 | 産業廃棄物処理業許可取得(鳥取県知事) |
昭和56年12月 | 廃油処理事業の許可取得(中国陸運局)、船舶廃油処理事業開始 |
昭和63年 6月 | 境港市昭和町に産業廃棄物焼却プラント完成 |
平成 5年 4月 | 三光産業株式会社と三光石油株式会社を合併、社名を三光株式会社とする |
平成14年 9月 | 潮見工場(境港市)竣工、操業開始 |
平成17年12月 | ISO14001認証登録証取得 |
平成25年 8月 | 低濃度PCBの無害化処理認定取得(環境大臣) |
平成25年10月 | 低濃度PCB廃棄物処理開始 |

企業リポート

賛助会員企業リポート第11回目は、石油製品等の販売、産業廃棄物処理事業、リサイクル事業等を営む三光株式会社を訪問し、同社の強みを生かした取り組みや今後の活動についてお話を伺いました。
「環境」をテーマに事業を進め、廃熱や廃材の利活用を行うなど様々な取り組みを行っている会社です。
リサイクル事業への展開について
同社は、創業当時、境港の石油備蓄基地の管理や石油の配送を行っていましたが、時代の流れとともに石油備蓄基地管理・石油運送の業務は縮小傾向となり、昭和56年からは廃油(産業廃棄物)の取り扱いに関するノウハウ等を活かして、新たな分野である廃棄物処理業に参入し、事業を拡大されました。
低濃度PBC廃棄物処理について
同社の強みの1つとして、低濃度PCB廃棄物の処理を行えることがあげられます。
PCBとはポリ塩化ビフェニル化合物の総称で、その特性から電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体、ノンカーボン紙など様々な用途で利用されました。しかし、その中にはダイオキシン類と呼ばれる毒性が極めて強い物質が含まれており、昭和42年には、PCBが混入した食用油を摂取した人々に健康被害が発生する事件が起こりました(カミネ油症事件)。
これを契機に、昭和47年に、新たにPCBを製造・使用することは規制されましたが、PCBを充填していた変圧器等には、いまだ低濃度のPCBが残留しています。これら低濃度PCBを含む廃棄物は、環境大臣の認定を得た民間業者が無害化した上で廃棄する必要があります。
低濃度PCB廃棄物の処理を行うためには、環境大臣の認定取得や処理設備はもちろんのこと、それに加え、PCBという有害物質の処理を行うことについて、地域住民の合意・理解を得ることが重要となります。しかし、そのハードルは高く、現在、低濃度PCB廃棄物の処理を行うことのできる企業は全国で20社程度しかありません。
そのような中、同社の場合は、30年来、安心・安全な廃棄物処理事業を行ってきた実績等から地域住民の信頼が得られ、平成25年には、潮見工場(境港市)において低濃度PCB廃棄物の処理事業を開始しています。
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PCBの残留した変圧器等を900℃の高温で処理し、無害化します。年間3,000個から4,000個の処理を行っています |

廃熱を利用した新分野展開について
産業廃棄物の焼却処理を行う際には大きな廃熱が生まれます。同社では廃熱の多くを発電に活用していますが、さらに発電により生まれる蒸気を冷却した後の熱水(復水)を活用し、平成25年から高級魚であるキジハタの陸上養殖に取り組んでいます。同社の養殖は、廃熱を利用しているだけでなく、飼育の仕方にも特徴があります。陸上養殖を行う場合、同じ海水をろ過しながら循環させるシステム(閉鎖循環型)が一般的ですが、同社は、海が近いという立地条件を活用し、半分は汲み取った新鮮な井戸海水を利用するシステム(ハイブリッド型)をとっています。
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水槽内の海水温度は、廃熱を利用し、年間を通じてキジハタの成長スピードが速くなる25℃を保っています。 |
なお、この「ハイブリッド型閉鎖循環陸上養殖」は、鳥取県と鳥取県産業振興機構が共催した平成25年度ビジネスプランコンテストにおいて、新規性・革新性の高いビジネスモデルと評価され、最高賞である鳥取県知事賞を受賞しています。

今後の活動について

同社では、「環境」をキーワードとして事業を拡大してきておられ、先述の廃熱を利活用したキジハタの養殖はもとより、地質調査の請け負いと、汚染土があった場合はその処理をワンストップで引き受けるサービスを行うなど、自社の強みを生かした新たな事業展開を進めておられます。
同社は、今後も、環境ビジネスの分野で事業の裾野を広げながら、地球環境や地域社会に貢献できるよう新たな事業展開を進めたいと考えておられます。

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